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三日三晩歯痛に悩まされた挙句、歯医者行って来ました。
腹痛で動けなくなるというのは割とよくあれども、
歯痛で動けなくなったのは生まれて初めてでした。
まだ完治していませんが、ひとまず窮地は脱しました。
しばらくは歯医者通いです。




歯の話はさておき、また本を読んだので書いておきます。
古本屋さんで見つけた、「艶筆文庫」(文芸評論社)という、
なにやら悩ましげなタイトルの新書。
刊行年は1956年。今から丁度50年ほど昔の本です。

古典を少しエロチックな感じにパロディ化したシリーズのようです。
中でも、二巻の「艶筆 里見八犬傳」(岡荘太郎/著)が
気になったので買ってみました。

この奇本の詳細は次ページにて。

「南総里見八犬傳」のパロディ的なこの作品、
八房と伏姫が篭もる富山の辺りから物語が始まります。
八房の目を盗み、伏姫のもとへ夜毎忍んで来る若侍があり、
唐突ながらあれこれと房事の至り。
なんと、富山の山中に間男が!と思いきや、若侍の正体は
八房が人間の姿に化身したものであったという、驚天動地の展開。
そんな訳で、伏姫は八人の子を身に宿す事となります。

その後は、八犬士の物語というよりも、犬塚信乃と浜路の物語と
言ってよいほど、二人をメインに話が進んで行きます。
しかしながら八犬士の一人である為、浜路と惜別し、
旅に出る犬塚信乃でしたが、行く先々で兎にも角にも
ひたすらに女難に遭いまくり。
子細あって呉服屋の後家(美女)のもとへ行けば、
変な香を嗅がされて迫られ、道中、腹痛で難儀している時など、
通りすがりの女賊(これまた美女)にいきなり拉致られたりと、
しょうもない事態ばかりが頻発します。

そんなこんなで、道すがら八犬士を一人ずつ発見し、
浜路とも再会した犬塚信乃は、皆と詮議した結果、彼ひとりが
まず使者として里見の屋敷へ赴く事となりました。
その道中も、(今ごろ浜路はどうしているか)と浜路に思いを馳せ、
ついでのように(七犬士もどうしていることか)と思い起こしながら、
犬塚信乃の旅は続くのでありました。終。


信乃と浜路の熱烈ぶりは凄絶。

『青い空の下、したたるような緑の草むらの中で、
相擁した若い二人の姿を、少し離れたところから蛇が鎌首を
もち上げて、赤い細い舌をぺろぺろと出しながら、ジッと見ていた。
が、蛇はすぐに鎌首を下ろして、消えて行った。
蛇さえもなやましかったのであろう。』(原文より)

という文に集約されているように、
蛇にも呆れられるほどのバカップルぶりです。

一応は化け猫退治など、原典にも見られるエピソードも
あったりなかったりですが、かなり脱力モノのトンデモ小説でした。

この「艶筆文庫」シリーズ、当時100巻まで刊行予定の壮大なシリーズ
だったようですが、実際に刊行されたかどうかは解りません。
私はもう一冊、「艶筆 お伽草子」をつい買ってしまいましたが、
これもまた、魂も抜けんばかりの脱力エロス小説です。

他の艶筆文庫も、また欲しいものが見つかったら買い求めたいです(笑)

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